「長年、腰痛だと思っていた」――実際にご来院されたお客様のお話です。
10年、20年と慢性的な腰痛に悩まされてきた方が、詳しく評価してみると、
痛みの場所は腰そのものではなく、仙腸関節(せんちょうかんせつ)と呼ばれる骨盤の関節付近だった、というケースが少なくありません。
特に背中や腰は、手や顔と比べると感覚が鈍く、脳が痛みの場所を正確に認識しにくいと言われています。そのため、長年痛みが続いている方ほど
「どこが痛いのか、正確な場所がよく分からない」
とおっしゃる方が多いのです。
仙腸関節とは?
仙腸関節とは、背骨の土台である「仙骨」と、左右の骨盤である「腸骨」をつなぐ関節のことです。

以前は「ほとんど動かない関節」と考えられていました。しかし現在では、わずか数ミリ程度ながらも動きを持ち、日常生活を支えるうえで重要な役割を担っていることが分かっています。
仙腸関節の主な役割
- 上半身の重さを支える
- 歩行時の衝撃を吸収する
- 左右の骨盤の動きを調整する
なぜ仙腸関節が痛くなるの?
日常生活の負担や筋力低下、妊娠・出産による靭帯の変化などによって、関節周囲にストレスがかかることがあります。すると、関節を守ろうとして周囲の筋肉が緊張したり、神経が過敏になったりすることで、痛みとして感じるようになります。
特に以下のような方に多くみられます。
- 長時間座ることが多い
- 片足重心になりやすい
- 出産後
- ぎっくり腰を繰り返している
腰痛との違いは?
仙腸関節由来の痛みは、一般的な腰痛と区別がつきにくいことがあります。次のような特徴がある場合、仙腸関節が関係しているかもしれません。
- ベルトの少し下あたりが痛い
- お尻の上の方が痛い
- 片側だけ痛む
- 寝返りのときに痛い
- 立ち上がりのときに痛い
「腰痛だと思っていたら実は骨盤だった」
そんなケースは、珍しくありません。
大切なのは「安定性」
仙腸関節は、単純に動かせば良いわけではありません。関節そのものの適合性と、周囲の筋肉による支えが重要です。
仙腸関節を支える主な筋肉
- 腹横筋
- 多裂筋
- 骨盤底筋群
- 大殿筋
これらが協力して働くことで、仙腸関節は安定します。これはフォースクロージャー(Force Closure)と呼ばれる考え方で、簡単に言えば「筋肉で骨盤を支える仕組み」のことです。
痛みは身体からのサイン
慢性的な腰痛や仙腸関節痛は、単に筋肉が硬いだけではなく、身体が関節を守ろうとして起きている場合があります。そのため、痛いところを無理に押したり、強くストレッチするだけでは、かえって悪化することもあります。
まずは、なぜその場所に負担がかかっているのかを評価することが大切です。
最後に
長年の腰痛だと思っていた症状が、実は仙腸関節や骨盤周囲の問題だったということは珍しくありません。もし次のようなお悩みがある方は、一度ご自身の身体を見直してみませんか?
- 慢性的な腰痛が続いている
- どこが痛いのか曖昧になってきた
- ぎっくり腰を繰り返している
- お尻の上あたりが痛い
「長年の腰痛だから仕方ない」と諦める前に
当院では、腰だけを見るのではなく、骨盤・姿勢・呼吸・日常生活まで含めて評価し、根本的な改善を目指していきます。
まずはお気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や状態には個人差があります。気になる症状がある場合は、専門家にご相談ください。
